
特に努力するわけでもない20代だった。
でも、というか、だからなのか人一倍悩んだ20代だったように思う。
仕事もプライベートも充実しているわけでもなく、ギャンブルにはまって給料日にお金を使い果たして翌月までクレジットカードでパンを買う日々。
でも心の中では「自分はこんな人間じゃないはず…」
そんな焦りにも似た気持ちを抱えながら、社会で、世界で活躍する旧友を眺めていた。
SNSを見ても同じ。見るだけツライ。
こんな気持ちで過ごしている若者も多いだろう。
ただ、この焦りや悩み。30代になってから大きく減った。
なぜなら自分にとっての幸せを自分自身で定義づけることができるようになったから。
どういうことかと言うと、他者との比較による相対的な幸せではなく、自分が無条件に感じる絶対的な幸せに気が付くことができたから。
このことによって人生の辛さはかなり軽減された。
今、同じような暗く、重い気持ちで生きている方に向けて伝えておきたい。そして同時に20代の自分自身に伝えたい。
たとえば、「30歳までには結婚して家庭を持ちたい」というのは本当にあなたが望むからそう願うのだろうか?
そこには世間体や、社会の常識が介在していないか。
「年収600万は稼がなくては」
本当にそんなにお金が必要なの?
当時の私も上記のような願望を持っていた。でも特段スキルがあるわけでもなく、努力もしたくなかった。
要はそれらは本当に自分の目標ではなかったわけだ。
また、「目標に向かって努力することが善」というのも思い込みのひとつ。
別に努力しなくたって良い。
そもそも、その目標は本当にあなたの幸せなのかを考えてみると良い。
「逃げ」に聞こえるかもしれないが、今は本当にそう思う。努力したい時がくれば人は勝手に努力するから。
それを努力と感じることなく。
植物が時期になれば花を咲かせたり実をつけるように、人間にもそれぞれのタイミングがある。
とはいえ、特に20代前半はまだまだ学校教育によってある種の洗脳がこびりついているから世間の目や、親の希望などが大きく影響するだろう。
「教えられた幸せ」にまどわされると、苦しい。
それが幸せだと教育されているから、そこに向かって努力するべきだと自分を言い聞かせる。けど、無意識下ではそこに向かいたいとは思っていない。
そんな矛盾を抱えるからツライ思いをする。
蛇足になるけど、江戸時代では生涯独身で過ごす男も多かったという。結婚できるのは長男や、裕福な家庭の男子がメイン。
それが明治時代になり、国家間の戦争に備えて兵力(=男子)を増強するために国策で「産めよ増やせよ」となるわけだ。
そのためには結婚が一人前の条件となっていった。これもある種の洗脳。
メディアもこれに協力し幸せを演出し、「これが幸せですよ」と教えてくれる。
でも、それはあなたにとっての幸せとは違う可能性が高い。このことにやっと気が付くことができたのが最近の話w
真夏に汗だくで薪割りをしたあとに浴びる水風呂。
起きたいときに起きて寝たいときに寝る。
誰にも干渉されず自分のやりたいことをやる。
これらが自分にとっての幸せ。
「ショボっ」と思われるかもしれないけど、ショボいことに幸せを感じられれば感じられるほど人生の難易度は下がる。
人生の難易度が下がれば、気楽に生きることができる。
そう、私にとっての幸せの本質は「気楽に生きる」ことだった。
養うべき奥さんや子供を持たないことが、この気楽さにつながる。男1人生きていくのに質素に暮らせば大した金はかからない。
軽トラ1台で十分暮らせるし、稼ぎが少なければ税金もそれなりの額で済む。
ある人から見れば「寂しい人生」かもしれない。でも、そう見られることと私の幸せにはあまり関連性がない。
もちろん今後考えが変わる可能性もあるけれど、それはまたその時に考えればよい話で今から悩むことじゃない。
人からなんと言われようと、自分がこれで幸せなんだから幸せ。こういう風に考えることができるようになるまで本当に時間がかかった。
・あいつは一部上場企業でバリバリやってる。
・あの子は世界を飛び回って仕事してる。
・医者の旦那さんをゲットしたらしい。
もし、自分がそれをやって本当に幸せですか?
他人と自分を比較するより、自分が幸せに感じる瞬間にフォーカスした方がよっぽど人生楽しめますよ。
ゲームが好きなら、「どうやったらゲームばっかして生きていけるか」を考える方が幸せに近いですよ。
これまでの話は独身で生きていくならば、の話かもしれない。
私の人生の転機になったのは「結婚してもたぶん自分は窮屈な思いをする」と知ったことかもしれない。
だから、気楽に生きれるし最低限のお金さえ稼いでいれば後は寝るなり、家を改造するなり自由だ。
一昔前には「独身がいいっす」なんて考えはともすれば眉をひそめられていたかもしれない。
でも、今はわりと高齢の方でも「そうかもしれんな」なんて返答される。
これも当時の常識にとらわれず生きてきた先人がいたからだし、そのことによって社会に価値観の多様性をもたらしたわけだ。
同時に、離婚も恥だとは思わないようになってきた。
生涯一人の人に添い遂げる(添い遂げるって考え自体一般的じゃなくなってきたけど)必要もないし、いつでも私たちは自由な選択をできることを知った方が気が楽になれる。
もちろん、奥さん・旦那さんに正直な気持ちを伝えて家庭を維持しつつやりたいことをやることもできる。
理解が得られないなら離婚しても良いと思う。そこには大きな苦痛もあるだろうけど、生きたい人生を生きるための犠牲・努力ととらえることもできる。
社会で言われている「常識」なんて時代によって左右されるもの。このコロナの世界で多くの常識も変化していくことだろう。
他者を尊重し、周りに迷惑さえかけなければ自由に生きていって良い。多くの人がそうすれば息苦しい社会も少しずつ変わっていく。
日本の若年層の死因No1が「自殺」ってのはやっぱ狂ってるし、だとすればそんな社会の規範が間違っている可能性を考えて生きた方が幸せに近づくことができる。
ということで、悩んだり、得体のしれない不安感に襲われる方に向けて、そして襲われていた20代の時の自分が知っておきたい「幸せ」についての記事でした。