
ド田舎介護士のもりまる(@820life)です!
かれこれ4年以上、入所の介護施設で働いていますが、正直しんどいです。
20代前半なら一晩中走りまわって、仮眠が無くても平気だったかもしれませんが、もう若くない。

この仕事、あと何年できるかな…。
こんな気持ちになることも、ちょくちょくあります。
2035年には79万人もの介護職員が不足するという試算もあるなかで、私のように「キツさ」から退職した方もやはり多い。
ということで、職員確保が一層に難しくなっていくこれからに向けて、「介護職員の負担軽減」について堂々と議論していった方が良いというお話しです。
Contents
負担軽減を叫ぶと責められる現状
介護の仕事は
・トイレや入浴などの肉体労働
・利用者さんへの「接客」的な感情労働
・記録や報告書などの事務的な仕事
と言う感じで多岐に渡る仕事です。にも関わらず給料は手取りで20万いかないことが普通ですよね。
給料面に関しては、介護保険制度のなかで運営しているので現場や施設レベルで簡単にどうにかできるわけではないのですが、「業務の改善」ならできるはず。
しかし、現状では、

新しい評価表作ったから全員分記載して!

利用者様のために全員更衣!!
とか、そんな感じで仕事が増える一方。
そんななかで、「これ、もうやめません?」と提案しても、門前払い。
それだけならまだしも、「サボることばかり考えてるヤツ」というレッテルまで貼られたり…。
そこまでする必要ある?という介護業務が多い
冒頭でもお話ししましたが、ぶっちゃけ仕事がキツイ。
なんでそこまでキツイと思うのか、というと利用者さんの幸せに結びつくのか疑問なことまでやっちゃってるわけですよ。
いくつか挙げてみると…
・自力で立てない方のトイレ介助(2人がかりで)
・拘縮や、皮膚の弱い方のパジャマへの更衣(ケガすれば報告書)
・自分で薬を飲む人でも、落としたりしていたら報告書
・安易なセンサーの設置
更衣に関しては、ジャージとかの楽なファッションならそのまま寝てもらったら良いと思うんですけどね。
たまに、「これ、パジャマやん」ていう服から本物のパジャマに更衣させたり…ね。
昼も夜も、今ここがどこなのか?さえ分からない利用者さんについても更衣が必要なのか疑問です。
もちろん、人によっては重度の認知症であってもパジャマに着替えることでぐっすり眠る!なんて方もいるそうですが、実際には出会ったことがありません。
トイレの2人介助もかなり重労働です。
「オムツは悪」という考えが主流なので、意地でもトイレに連れてく流れがあるんですよね。
言いたいことは分かるんですが、その結果「もうオムツでいいしょ」っていうレベルの方までトイレで排泄させようとするんですよ。
力の抜けた利用者さんを抱え上げるのが、どんなに重労働なのか。
男でこんなにしんどいと思うので、女性にはさらにキツイ仕事ですよ。
そら、みんな辞めてきますって。
人材不足の原因は介護業界にもある
介護士が退職する理由として、人間関係や、賃金の低さも大きな要因です。
しかし、「仕事のキツさ」もやっぱり大きいんですよね。
実際、介護労働安定センターの資料によると、介護の仕事の悩みのうち30%が身体的負担なんですよね。

平成30年度介護労働実態調査結果について(pdf)
さきほども述べた通り、賃金については制度的な問題もあるので、事業所が簡単に解決できる問題ではありません。
しかし、「身体的な負担=仕事のキツさ」はトップの考え方で改善・軽減できる問題のはず。
なのに、現在でも腰痛が理由で退職する人は後を絶たない。
それを「介護の技術が不足しているからだ」など、技術不足という言葉に落とし込むのが介護業界。
利用者からの暴力や、職員の虐待問題なども同じですよね。
技術・知識の不足が原因だと決めつけられてきましたが、それなら状況は改善しているはず。なのに、問題の件数は増加する一方です。
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いくらボディメカニクスを活かしても、根本的な仕事のキツさは変わらないし、それが続けば体を痛めることもありますよ。
現場の職員が「体力的に限界…」と思わないように業務の改善を進めて、負担の軽減を後押しすべきだったのに放置してきたことは業界の責任です。
このままでは、いつまでたっても人材不足のまま。
勇気を持って介護士の負担軽減を考えていこう
介護士の仕事が重労働だ、ということは世間の多くの方は知ってくれています。
実際にサ高住で勤めていた時にも、更衣の数があまりにも多いということで、家族様にも説明のうえ中止することができました。
「職員の負担軽減」が必要であるということにも、しっかりと理解を示してくださいました。
もちろん、そのことによって家族様に「ほんとは着替えさせて欲しいけど…」という気持ちに我慢を強いてしまった側面もあるかもしれません。
しかし、肝心の職員がキツさに限界がきて退職してしまったら、人手はすぐに不足し、そのほかのケアを中止せざるを得ない状況になるでしょう。
なので、介護士も、事業所も勇気をもって説明すると意外と理解してもらえて業務の改善ができることもあります。
これはやらなくちゃ。あれもやるべきだよね。
と、自分たちで自分の首を絞めるているような状況であることを認識し、負担の軽減を進めることで、もっと職員が定着しやすい環境を整備していく必要があります。
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