
休日は縁側でお茶を飲むのが幸せのひととき。
どうも、精神年齢がジジイのド田舎介護士の森まる(@820life)です。
仕事をしていると「もう辞めたい…」と思う時期ってありますよね。
こと、介護になるとお客様は弱者のお年寄り。自分が居なくなることで、利用者さんに不利益を与えてしまうのではないか?とか、残った同僚に負担をかけてしまう…とかいろいろと考えてしまって思い切ることが難しいですよね。
自分自身の気の持ちようや、考え方で解決できる問題なら少し様子をみてからでも良いかと思います。
そうではなく、施設が超絶ブラックとか、経営者がやばすぎるなどの自分ではどうにもならないことで苦しんでいる方へ、私の体験から伝えたい。
「もうね、辞めるなら早い方がいいよ」っていうことです。
実際に体験した施設が壊れていく話
「辞めるなら早い方が良い」と思うようになった原因となる、実際に体験した話を紹介します。
数年前、私は介護士としてデイサービスが併設された老人ホームで働いていました。そこに住んでいる利用者さんは重度の方を除き、併設のデイサービスに毎日通っていました。そこで、入浴や昼食を済ませて夕方に戻るというスケジュール。
一企業が経営する住宅型の介護サービスとしてはよくある形です。
それなりに人気もあり稼働率も良好でした。しかし、ある問題によって会社の代表が突然出社できない状態になりました。そして、その状態がいつまで続くのかもわからない。
会社全体に大きな動揺が広がり、その当日にデイサービスの職員が全員離職し、閉鎖。
住宅側にいた私たちは、「利用者さんの生活を投げ出すわけにはいかない」と責任感のようなものを感じて、とりあえずは誰も辞めませんでした。
たしかに、いままでケアをしてきた利用者さんに、「じゃ!さいなら」と別れるのも気が引けますよね。
しかし、そのために休日を返上し、夜勤明けに昼過ぎまで入浴介助を行う日々が続き、限界にきた者からひとり、またひとりと職員が消えていくわけです。
最終的には「労働基準法?なにそれ?」みたいな状態で、日勤からそのまま夜勤をして、明けに昼過ぎまで入浴介助…おまけに翌日出勤です。
さすがに私も気が狂いそうになってきたわけで、当初は「利用者さんのため」とか言っていたのに、だんだんと利用者さんに適切なケアをできない状態になってきていました。正直に言うと、虐待しかねない精神状態にまでなっていました。
そして、そのことに自分で気が付いて「あ、これは辞めないと事件起こす」と思って、退職に踏み切れたわけです。
自分が壊れる前に辞めるべき
もちろん私の体験談は極端な例ですが、こういった精神状態になる可能性は誰しもが持っているし、原因は人それぞれです。
人間関係だったり、きついシフトだったり、人によって許容できるレベルは違います。
実際に、私が退職したあともそこに残り、施設を立て直すことに尽力までした職員さんも数人います。
その方たちを尊敬できるし、人間として素直に「凄い」と思います。でも、その人たちと私は、受け入れることのできるストレスの容量が違っていたと思います。
あるいは持っていた「理想」や「考え方」が違っていたのかもしれません。そこは比べる必要もないですし、人それぞれで良いのです。
大切なのは「自分が壊れる前に辞める」こと。
そのレールに乗っていることに気が付いたら、誰にも遠慮することなく辞めるべきです。行きつく先は自分の心を病むか、他者を虐待するかのどちらか。
それなら早めにレールから降りた方がいいよね、っていう。
ひとつの介護施設にしがみつく理由は無い
という感じで、マイナス方向へのらせん階段を降り始めたら、早めに退職の段取りを始めましょう。
「そこでの経験に価値がある!」と考えることもできるかもしれないけど、精神病んだら元も子もないよって思います。
余談ですが、施設は現在は立て直されて普通に営業しています。しかし、大変な時期を支えた職員さんも1、2名を残して結局は辞めていきました。
つくづく介護業界の人材の流動性の高さが実感できる話です。乗り越えた先にも別の問題(人間関係)があったというね。
それもまた、同じ施設にしがみつく理由はないことの表れです。


