
全国の港湾労働者が平日に一斉ストライキしました。
出典:カナロコ( https://www.kanaloco.jp/article/entry-161523.html )
全国の港湾労働者の組合が14、15日、最低賃金の引き上げなどを求めて48時間のストライキを行った。事業者側が誠実に対応しなかったとしており、東京港など全国の主な港ではコンテナの積み降ろしなどの荷役作業を一斉に停止。県内でも横浜港や川崎港では月曜日の15日、コンテナターミナルのゲートが閉鎖された。平日の24時間ストライキは1997年以来、22年ぶり。
各業種に大きな影響が出るにも関わらず、報道があまりないという報道の自由度67位の日本にお住まいの皆さんいかがお過ごしでしょうか。
最低賃金について労使で話し合いを進めてきたが、今回は使用者側が「(ストライキ)好きに打てば?」と、暴言ともとれる発言を放ったらしい。
やばくね?
労働者を完全にバカにしてる。共産主義者ではないけども、労働者と経営側はお互いに支えあって会社が成り立っていると考えている。
いくら完璧なビジネスの仕組みがあっても、そこで実際に働く労働者があってこそですよね。現状の待遇に不満があっても訴えなければ変わらない。
そろそろ介護もストライキしないか?
介護職、個人的には好きでやっている仕事です。利用者さんとのふれあいや、ケアを提供して「ありがとう」と言われるうれしさ。
世の中いろんな仕事はあるけれど、こんなに「ありがとう」と言われる仕事はなかなかありません。
とはいえ、実際に働いていて不満、訴えたいことは山ほどあります。
- 職員に対して利用者さんの数が多すぎる
- 利用者さんからの暴力や暴言、セクハラなどは日常茶飯事
- 利益のためにとても面倒見切れない方を受け入れる
- 夜間にはさらに一人で多くの利用者さんを見なくてはいけない
- 仮眠、食事も満足にとれない一人夜勤(休憩時間はしっかり引かれる)
- 感染症に感染するリスク
- 夏季休暇や冬期休暇など、まとまった休みが無い
- ミスをすれば犯罪者として扱われるリスク
- なのに低賃金
- 対策のはずの処遇改善費の使い道は経営者の自由
ざっと挙げてもこれだけ出てきます。
「ミスをすれば犯罪者」というのは、おやつが窒息して利用者さんが亡くなった事件がありました。そのおやつを提供した職員が刑事裁判で有罪判決を受けたことです。
詳しくは>>>利用者におやつを出した看護師が有罪判決…介護業務でミスを犯せば犯罪者で紹介しています。
自分の属する事業所の問題もありますし、国の決めたルールが原因の物もあります。ただ、個人が不満を会社に言っても大きな改善は見込めません。
そんなときにストライキ(団体交渉が先に必要ですが)が労働者の最後の切り札となるわけです。
介護職ってストライキできるの?って思うかもしれませんが、全然できます。
日本国憲法28条の「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」という文言から団結権、団体交渉権、団体行動権(ストライキ)が権利として守られています。
実際には手順があり、いきなりストライキというのは適法とは言えない事実があります。なので、まずは団結することが重要なんですね。
そして団体交渉し、労使間で合意できなければ団体行動(ストライキ)へと進む流れです。
よく、ツイッターなどでストライキに対して「迷惑だからやめろ」的な発言が見られますがめちゃくちゃ残念です。
誰だってストライキなんかしたくてやってないですからね。使用者(会社側)が労働者側の要求を拒否するから発生するわけです。
そして、大半の日本人は労働者です。同じ労働者が勇気を出して行った最後の切り札(ストライキ)を否定する状況は、経営者側の思うつぼ。
誰しも自分の労働環境は今より良くなって欲しいですよね。
改善を願うなら多少の不便は受け入れて、もっとストライキが積極的にできる社会にすることが、最終的には自分たちの労働環境をも豊かにすることにつながるのです。
もし介護職がストライキするとどうなるのか考えてみました。
現実的には利用者さんの生死にもつながるので「一切の業務をしない」ことは難しいかな、と思います。
世論を味方にできないストライキは交渉力が低いですよね。社会の理解を得られるような形で行わないと威力が半減するように思います。
そう考えると、警察官や各種公務員がストを禁止されているように、介護の完全なストライキは難しい。
なので、介護サービスとしてではなく、ボランティアとして職場へ行き、最低限のケアのみを提供し金銭を受け取らないというのが現実的なストライキになるのかな、と思います。
食事・排泄・入浴のみを行い、記録などの事務的なことは行わないとか。すると、介護保険料を請求することができなくなり、使用者には金銭的なダメージを与える脅威になります。
正直、この辺が人の命を預かる現場の難しさですよね。その割に待遇が悪いのがまた不満につながるのですが…
ちなみにストライキ大国のフランスでは保育園でもストがあります。ストの前に家族へ連絡があり当日は保護者は有給を取って対応するそうです。それでも、現在まで労働者が戦うことで、より良い待遇を勝ち取ってきたという歴史があるので、ストライキに対しては寛容な人が多いです。
不満があるなら声に出して訴えよう

介護職もそろそろ現状のおかしな点について社会に訴えて良い時期に来ています。処遇改善がたびたびおこなわれていますが、使い方は経営者の裁量であるとか、どう考えてもおかしいですよね。
他にも、利用者からのハラスメントもちょくちょくニュースや記事に挙がっています。割と世論も介護職に対して同情的な声が聞こえます。
このような状況で社会の目に留まるような形で実際にアクションを取ることで、大きく変えていきたいですよね。
わたしも介護という仕事が好きだし、続けていきたい。
でも、理想論ありきの現実を無視した決まりごとがたくさんあり、現場で多くの混乱と危険が生まれていることを知ってもらいたいと思います。
誰も虐待したくてしている人は居ないと信じているし、人の心を狂わせてコントロールできないような過酷な状況・現場があるということを知ってもらいたい。
自分は人を団結させることもできないし、大きなことができるわけでもない。でも、文章で、現状を伝えることならできる。
自分のできることで、これからも発信していければと思います。そして、それがなにか大きな動きにつながっていけば最高です。
不満があるなら黙らず、声に出すことが重要。戦わずして得られるものは何もありません。