5つの高齢者虐待を解説&介護現場で気をつけること。

5つの高齢者虐待。無意識に行うこともあるので要注意。

どうも、ド田舎介護士の森まる(@820life)です。

認知症で意思疎通のできない利用者さんが絵をかいていたんですが、その出来があまりにもすごくて感動。

ピカソに色鉛筆を持たせたらこんな絵ができるんだろうな、と感心しつつ「いったいこの方にはどんな世界が見えているんだろう」と素直に疑問が生まれてきました。

しかし、彼女は日常生活を自身で送ることは不可能なレベルの認知症患者であり、時には排せつ物を塗り付けるなど認知症の周辺症状(いわゆる問題行動)も激しいお方。

虐待に遭う方も多くは彼女のような認知症の方。介護職による虐待のニュースもたびたび報道されているので一度、高齢者虐待をまとめつつ現状の問題点もお話ししていきたいと思います。

記事中の統計データは、「厚生労働省平成 28 年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等 に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果(添付資料) 」(※PDF)を参考にしています。また、虐待の割合については複数回答なので合計が100%を超えます。

5種類の高齢者虐待

現在介護の現場で働いている方には釈迦に説法かもしれませんが、もういちど振り返っていきましょう。

5つの高齢者虐待

① 身体的虐待
② 心理的虐待
③ 性的虐待
④ 経済的虐待
⑤ 介護放棄(ネグレクト=無視・放棄)

それぞれを解説していきます。各虐待の名称の後の数字は施設で起こった虐待に占める割合を表しています。在宅での内訳も参考資料から確認できます。

①身体的虐待(65.5%)

把握されている虐待の6割を占めている身体的虐待。

単純に殴る・蹴るの暴力はもちろん、体をベッドに縛るなどの「身体拘束」も身体的虐待にあたります。

また、明らかな暴力でなくても「押す」、「無理に引っ張る」など直接的にケガを与えるような行動でなくても虐待と判断されます。

適用される範囲が拡大しつつあり、「え、これも虐待?」っていう場合もあるので注意が必要です。

②心理的虐待(35.9%)

心理的虐待は「心に対する暴力」ととらえると分かりやすいです。

例えば、

  • 大声でどなりつけて威圧する
  • バカにしたり笑いものにする
  • 無視する
  • 脅すようなことを言う

といったものです。わたしたち介護職も気をつけないとうっかり強い口調で指示してしまったりするので、無意識に行ってしまっている可能性もあります。

このあたりは自分では気が付くことができなかったりするので、職員同士で声をかけあって注意を促しあえる環境があると心理的虐待防止に有効です。

③性的虐待(3.4%)

性的虐待は一般的には

「高齢者にわいせつな行為をすること・させること」と定義づけられています。一部そのような事件もありますが、現場の介護士として注意すべきなのは、

  • 裸を人に見られるような状態を作ること
  • トイレのドアを閉めない
  • 身体の特徴を冗談にする

以上のような自尊心と羞恥心に配慮することです。

どうしても現場では人手がないために、トイレ介助中でも周囲を見渡せるようにドアを開けておきたくなる場面もありますが性的虐待と判断されることもあるため配慮が必要です。

④経済的虐待(4.9%)

利用者さんの財布からお金を盗む、カードを不正利用するなど金銭的な虐待です。言い換えれば窃盗ですね。

基本的に施設内で現金を持つことって少ないと思うのですが、事業所の方針で利用者さんに管理させることもあるでしょう。

安月給の介護士の目の前に大金があれば気持ちも揺らぐかもしれませんが、どちらにせよ犯罪なので相手が認知症だからと言って盗むのはやめておきましょう。信頼どころの話ではなくなります。

とはいえ、管理の甘い施設では利用者さんの妄想と現実の判断がつかず、とりあえず介護職を解雇して対応するといったところもあるというツイート。

利用者さんの生活に深くかかわる仕事なだけに誤解されないように日々の言動も気をつけるとよりベターですね。

⑤介護放棄(ネグレクト)(10.5%)

「育児放棄」という意味でつかわれている「ネグレクト」。日本語に訳せば、「無視」です。

高齢者介護にもこの言葉が使われていて、一言でいえば「高齢者の生活に必要である行為を意図的に行わない」という虐待です。

たとえば、

  • 自分で掃除できないのに放置してゴミ屋敷(不衛生な状態)にする
  • 入浴や排泄の世話をせず汚れたまま放置する
  • 医師が必要であると判断したのに適切な処置を受けさせない

といったことです。ネグレクトは基本的に介護施設ではありえないと思っていましたが、全体の10%もあるということが意外でした。

以前お話しした、自分が勤めていた施設が極度の人員不足になった時も一歩間違えればネグレクトに進んでいたかもしれません。

見ようによっては介護施設の人材不足の激しさを表す数字ともみることができるのではないでしょうか。

もういちど自分の介護を見直してみよう

「虐待なんか絶対しないし」と思っていても介護士も人間。ふとした瞬間に口調が荒くなってしまうこともあります。

また、他の利用者さんの安全のために見守りを優先してプライバシー・羞恥心への配慮がおろそかになってしまっていることもあるかもしれません。

ときどき、自分のケアを見直してみることで気が付くこともあります。

「人の振り見て、我が振り直せ」という言葉のように周囲を観察することでより良いケアにつなげていければ最高です。

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